こんにちは!gakuです。最近また山に行きたい欲がじわじわ高まってきています。
この記事では富士山の中腹に位置する宝永山を歩いた様子を紹介します。2021年の7月に歩きました。
宝永山は富士山の5合目に位置していながら、すぐそばまでバスで行くことができます。
そのため手軽に富士登山を体験でき、
富士山は歩いてみたいけど、山小屋泊はちょっと…
といった人におすすめです。
ぼくも富士山の下見のために訪れました。
手軽にアクセスできるにもかかわらず、標高2500mを超えて延びる登山道は雲の上。火山活動によってつくられた荒々しい地形が広がり、別世界を味わえます。
記事の後半ではおすすめの装備も紹介するので、実際に歩く際はぜひ参考にしてみてください。
目次
宝永山ってどんな山?
宝永山は富士山の静岡県側の斜面、5合目付近に位置する標高2693mの山です。遠くから見ると、富士山のすそ野にコブのように出っ張ってみえます。
宝永山は1707年の宝永噴火の際に形成された、比較的新しい山です。噴火から300年以上が経ちますが、いまだに周囲は噴火の噴出物で覆われており、荒れた大地が広がります。
付近にはオンタデやフジアザミといった、限られた植物のみが分布しています。
彼らに共通する特徴は、根っこがものすごく発達していること。砂利だらけの大地にしがみついて水を確保することは、この地で生きる上で必須の能力です。
アクセス
宝永山へのアクセスは、富士宮口5合目からが最も簡単です。富士宮口5合目までは、富士宮駅からバスで1時間半ほどです。
富士登山バス – 富士急行バス (fujikyu.co.jp)
開山期間(7/10~9/10)のみ運行。
復路もバスを利用する場合は「富士登山バスフリーきっぷ」がお得。他の登山口に下山した場合も使えます。
歩いたルート
富士宮口5合目からスタートし、富士山の山腹を巻くように宝永火口を目指します。火口から宝永山山頂に登ったら、御殿場ルート側から下山。
御殿場の下りルートは通称「大砂走り」。その名の通り砂だらけの下り坂が続きます。
行程の大半が下りなので、体力的、時間的にも難易度やさしめのコースです。
コースタイムと累積標高は山と渓谷社「ヤマタイム」を使用して算出しています。
登山地図&計画マネージャ「ヤマタイム」(yamakei-online.com)
富士宮口5合目~宝永火口
5合目から6合目までは岩がちな道を登ります。ごつごつした溶岩が連なり、歩きにくいので慎重に。
6合目からは山腹を巻くように宝永火口へ。雲が通り過ぎるたびに視界が真っ白に染まります。
勾配が小さいので体温が上がらず、7月でも日が陰ると肌寒さを感じます。風が強いため風を防げるアウターが必要。
宝永火口へ到着。
巨大なクレーターが眼下に広がります。すり鉢状にえぐれた地形は圧巻の一言。
正面の斜面に細く写っているスジは登山道です。宝永山のピークは写真右上の雲の中。
いったん火口の底の降りてから斜面を登り、尾根を伝って山頂を目指します。
宝永山
火口の内側の登り。これがなかなかキツイです。
砂に足を取られて思うように進みません。砂の斜面を登るのがこんなにキツイとは…
山頂にはぽつんとモニュメントが設置されています。台座がガタガタなのは地面がゆるいからでしょうか?
大砂走り
延々と砂の道が続きます。
砂が着地のショックを吸収するので、大股でガシガシ歩けて爽快。何なら走って下る人もいます。
ほとんど植物が生えていないので、常に視界が開けており、360度見渡せる。標高2000m程度でこんな景色を楽しめるのは、富士山ならではかもしれません。
右手に見える二つの丘は「二つ塚」と呼ばれており、ここにもハイキングコースがあります。
見どころ・魅力
手軽に富士登山を味わえる
「富士山は砂ばかりで登りがキツイ」「高山病でひどい目にあった」
こんな話をよく聞きますが、今回紹介したルートのように下りをメインにすることで難易度は調整可能です。
下りは登りほど体力を消耗しませんし、高山病の対処も下山が基本。
難易度を下げても、山歩きの楽しみが目減るわけではありません。今回のコースでも富士山の荒々しい景色と、雲の上を歩く爽快感を味わうことができます。
「大砂走り」砂の道を体感
個人的にとても気に入ったのが「大砂走り」です。
一歩踏み込むたびに足首まで砂に埋まる感触は、ちょっと他では体験したことがありません。急こう配をザクザク下るのは、どこかスキーやスノーボードの滑走に似た楽しさがあります。
ただし、大砂走では歩くだけでものすごい砂ぼこりが立ちます。風向きによっては他のハイカーに埃を浴びせてしまうので気をつけましょう。
これは持って行った方がいい!おすすめ装備
ゲイター(スパッツ)
ゲートル、脚絆などとも呼ばれます。
使い方は簡単で、靴を履いた上から足に巻き付けて止めるだけ。靴に砂が入るのを防ぎます。
大砂走では普通に歩いても足首まで砂に埋まってしまいます(走るともっとです)。あるとないとでは大違いなのでぜひ持っていきましょう。
同じ理由で登山靴もミッドカット~ハイカットのものがベター。くるぶしが隠れるので砂が入りにくくなります。
ランニングシューズでゲイターなし。無謀にもそんな装備で大砂走りを走ったりすると…下の動画のようになります
トレッキングポール
今回のルートは基本下りしかないので大半は楽に歩けます。
唯一つらいのは、火口の底から宝永山山頂に向かう登り斜面。そこそこ傾斜があるうえに地面が砂利なので非常に歩きにくい。
一歩踏み出すと半歩ずり下がるといった具合で、気分はさながらアリ地獄に落ちたアリ…
トレッキングポールがあれば接地点が増えるので、ずり下がりを軽減できます。足への負担をかなり減らせるのでおすすめ。
砂埃対策:サングラス、マスク、濡れ手ぬぐい
宝永山から大砂走りにかけて火山礫が広がるエリアでは、歩くたびに砂埃が立ちます。前をほかの登山客が歩いていると、風向きによっては埃を浴び続けることに…
サングラス、マスクで目・鼻・口を覆ったほうがよいです。
他人の埃を浴びなかったとしても、自分が立てた埃で背中や首筋が埃まみれになっているはず。体を拭ける手ぬぐいがあると、下山後も快適です。
まとめ:バスで手軽に標高2500m。高山の景色を楽しもう
以上、ほぼ下り行程で宝永山を歩くルートを紹介しました。
といった人におすすめしたいコースです。
また、僕のように
という人にもぴったり。
山頂を目指さなくても、富士山を楽しむことはできます。キツさの先入観で敬遠していた方は、ぜひ宝永山でのハイキングを試してみてはいかがでしょうか。
「東京のすぐ近くにこんな場所があったんだ!?」
そう驚くこと請け合いです。
富士山に登ってみたいけど体力に自信がないなぁ