今回は山中湖の畔に位置する石割山を紹介します。
低山でありながら大きな富士山と山中湖をセットで見られるという抜群の展望スポットです。下山後には温泉に立ち寄ることもでき、コンパクトなエリアに山歩きの楽しみが凝縮されています。
2022年1月に歩いた時の様子をもとに、見どころ・おすすめルート等を解説していきます。
目次
石割山(いしわりやま)
石割山は山中湖の北東に位置する標高1413mの山です。
標高だけ聞くと高い山に思えますが山中湖の水面がすでに標高980mなので、湖畔から430m程で山頂まで登ることができます。
石割山の西には平尾山(1318m)、大平山(1296m)が連なっており、稜線を伝って歩くことができます。山頂の前後でアップダウンはあるものの、基本的に西に行くほど標高が低くなります。
富士山に近い山は富士山がきれいに見える場所が多いです。中でも石割山とその周辺の山々からは山中湖と富士山の眺めを一度に楽しむことができ、その景観を目当てに多くの登山客が訪れます。
場所
石割山、平尾山、大平山は山中湖の北岸に位置しており、西側に富士山を臨みます。
アクセス
東京からのアクセスは新宿からの高速バスを利用すると便利です。
次のバス停から登山口まで歩くことができます。
ホテルマウント富士入口~大出山入口の間は、周遊バスが通っていますが本数が少ないので使いにくいです。「上手く時間が合えば利用する」くらいの気持ちでよいでしょう。
高速バスの予約方法をこちらの記事で紹介しています。
歩いたルート
山中湖平野のバス停から石割山に登り、稜線伝いに平尾山、大平山を歩きました。
下山したあとは紅富士の湯で汗を流し、ホテルマウント富士入口から高速バスで帰ります。
山中湖平野バス停→赤鳥居
バス停のすぐわきにコンビニがあるので食料・飲み物を補給できます。コロナ対策のためコンビニのトイレは閉鎖されていました。
観光案内所の道路を挟んで向かい側に公衆トイレがあるのでこちらを使いましょう。一見してトイレに見えないので知らないと素通りしそうです。
平野バス停から石割神社の赤鳥居を目指します。鳥居までは舗装道路です。
赤鳥居→石割神社
鳥居をくぐるといきなり階段が延びています。多すぎて数えられませんでしたが403段あるそうです。
冬でも登りは暑くなるのでふもとでアウターを脱いでから登ります。この日の気温は1℃でしたが、案の定シャツがじっとりするほど汗をかきました。
階段を登りきると神社までは比較的緩やかな登りが続きます。広葉樹が多いので山が明るいです。
桂の大木を過ぎると石割神社に到着。花崗岩の大岩が御神体です。
石割神社→石割山山頂
石割山山頂までは勾配が急になります。しばらく晴天が続いていたおかげで道は乾いており歩きやすかったです。
土が流れて木の根が露出している場所が何か所かあるので、両手も使ってよじ登りましょう。
笹やぶの間をしばらく登ると石割山山頂に到着。大きな富士山が迎えてくれます。
石割山→平尾山→大平山
石割山からの下りは若干道が荒れています。滑らないように注意しましょう。
荒れているのは石割山の山頂付近だけで、平尾山、大平山の道は歩きやすいです。全体的に勾配は緩やかで、山頂の前後には階段が設置されています。
平尾山、大平山ともに山頂がある程度開けているので、富士山を眺めながらくつろいでいるハイカーを多く見かけました。この景色を見ながら飲むコーヒーは格別でしょう。
大平山→紅富士の湯
大平山から西に進むと飯盛山の小さなピークがあり、山頂にベンチが設置されています。
さらに進むと舗装路に出るので、道路を歩いて山中湖湖畔の大出山入口まで下ります。
大出山入口から紅富士の湯までは周遊バスが通っているのですが、時間が合わなかったので歩くことにしました。山中湖沿いにはサイクリングコースが整備されており気持ちよく歩くことができます。
見どころ・魅力
景色
とにかく富士山の眺めが素晴らしいです。
石割山から西側に進むルートを選択すると、ずっと富士山のほうを向いて歩くことになります。山頂だけでなく登山道からも徐々に大きくなる富士山の眺めを楽しむことができました。
石割神社
実際に目の前にすると大迫力の巨岩です。天岩戸伝説に由来するともいわれています。
岩には人一人がぎりぎり通れるほどの割れ目があり、間を通り抜けることができます。3回通ると御利益があるとか。
温泉
歩ける範囲に二つの温泉があります。上手にプランに組み込めば、旅の満足度が上がること間違いなしです。
- 紅富士の湯
- 石割の湯
今回は大出山入口に下山するルートのため紅富士の湯を利用しました。温泉だけでなく食事処、休憩所もあるので帰りのバスまで時間調整にも使えます。
おすすめルート
コースタイムの異なる二つのルートを紹介します。
標準タイムと距離・高低差は山と渓谷社の「ヤマタイム」で算出しています。休憩時間は含みません。
コースタイムつき登山地図が無料! 登山地図&計画マネージャ「ヤマタイム」 – ヤマケイオンライン / 山と溪谷社 (yamakei-online.com)
平野バス停→石割山・平尾山・大平山→大出山入口バス停
まずは今回歩いたルートをおすすめします。最初の石割山登頂までが急で、それ以降はだらだら下るルートになります。
逆向きにたどれば登りの行程を緩やかにできるのですが、富士山に背を向けて歩くことになります。序盤はきついですが、より景色を堪能できる西に進むルートがおすすめです。
下山後に紅富士の湯によれば、温泉・食事・帰りのバスまでの時間調整ができるので快適に過ごせます。
距離:約9.1km
累積高低差:△755m ▽761m
標準コースタイム:3時間40分
平野バス停→石割山→石割の湯→平野バス停
平野バス停から石割山までを往復するコースです。復路は石割の湯に寄るため、別ルートで下ります。
3時間未満の行程で石割神社と石割山、温泉を楽しめる欲張り設計です。
車の場合は赤鳥居のわきにある石割神社の駐車場(無料/30台)を利用できます。
距離:約6.8km
累積高低差:△505m ▽498m
標準コースタイム:2時間40分
冬に歩く場合の服装・装備
防寒着
歩いた日の気温は1月の上旬ということもあり1℃。しっかり寒いので防寒着は必須です。
汗が冷えると体力を消耗するため、登りなどで汗をかく前に上着を脱いで調整します。
汗冷えを防ぐために化繊のインナーの上にフリース地の上着、その上に風を通さないアウターを着ていくようにします。綿のインナーは汗を吸うとなかなか乾かないので避けましょう。
トレッキングポール
冬に限らずですがトレッキングポールがあると足への負担が分散されるので疲労を軽減できます。石割山の階段を登った後でポールを持っているとありがたみを感じるはずです。
アイゼン
1~2月は積雪期です。雪が降ると日向の道はぬかるみ、日陰は凍結します。
斜面が凍結していると立ち往生しかねないので、軽アイゼン、もしくはチェーンアイゼンをもっていくようにしましょう。
事前に天気予報と積雪情報をチェックしておき、足場が悪そうであれば日を改めるのが無難です。
まとめ
今回は山中湖の畔、石割山を紹介しました。
見事な富士の眺望、石割神社のインパクト、さらには温泉につかれるうえ新宿から高速バス一本でアプローチできるという手軽さ。至れり尽くせりな日帰り登山でした。
実は石割山は花の百名山に名を連ねています。今回は冬に登りましたが、初夏の新緑、初秋の花々、秋の紅葉も楽しめるそうです。
また季節を変えて遊びに来たいと思います。
富士五湖~新宿線 – 富士急行バス (fujikyu.co.jp)