奥多摩駅から登る冬の大岳山

大岳山山頂の景色

2021年の12月に大岳山に登りました。奥多摩駅から鋸尾根を伝って大岳山に登り、御岳山のケーブルカーで下山するルートです。

この記事では、登山道の様子と見どころを解説していきます。記事の最後にコースアレンジの例を難易度順に紹介していますので、ルート選定の参考にしてみてください。


目次

大岳山(おおたけさん)

大岳山(おおたけさん)は東京都の奥多摩エリアに位置する標高1266mの山で、御前山(ごぜんやま)、三頭山(みとうさん)と並んで奥多摩三山に数えられています。

奥多摩三山のなかでは最も東側に位置しており、都心からもアクセスしやすいです。日帰り登山が可能なうえ、山頂からの眺めが素晴らしく、週末は多くの登山客でにぎわいます。

遠くから眺めると片方の肩が持ち上がった特徴ある姿をしています。

大岳山(高水山から撮影)
大岳山(高水山から撮影)

写真は高水山から撮影したものです。高水山の記事はこちら。

アクセス

JR青梅線、JR五日市線からアクセスできます。

JR青梅線からのアクセス

青梅線は大岳山の北側を横切るように延びているので、複数の駅から大岳山山頂に至る登山道が伸びています。

それぞれ異なる尾根・谷を通過するルートなので、ルートごとに違った景色を楽しむことができます。

次の駅から大岳山へ登ることができます。

JR青梅線
  • 奥多摩駅
  • 白丸駅
  • 鳩ノ巣駅
  • 御嶽駅 → 滝本駅(バス利用)→御嶽山駅(ケーブルカー利用)

JR五日市線からのアクセス

武蔵五日市駅からバスで30分ほどで、大岳山南側の登山口に到着します。

いずれも青梅線側の登山口より山頂までの距離が短く、3時間ほどで山頂まで登ることができます。

JR五日市線からのアクセス
  • 武蔵五日市駅 → 大岳鍾乳洞入口バス停(バス利用)
  • 武蔵五日市駅 → 白倉バス停(バス利用)

今回歩いたルート

歩いたルートと登山道の様子を解説します。

奥多摩駅→鋸尾根→大岳山→御嶽山駅(ケーブルカー)

奥多摩駅→愛宕山→鋸山

奥多摩駅から鋸尾根を伝って大岳山を目指します。

大岳山に至るまでに愛宕山(標高507m)、鋸山(標高1109m)をはじめとするいくつかのピークがありますが、基本的に奥多摩駅から鋸山を超えるまではずっと登りです。

愛宕山の階段
愛宕山の階段

岩がちな上り坂が続くので、脚に自信がある人向けのルートです。

鋸尾根。岩がちな道が続く。
鋸尾根。岩がちな道が続く。

何か所か鉄梯子が設置されています。落ち着いて通過すればそこまで危険ではありません。

鋸尾根の鉄梯子
鋸尾根の鉄梯子

鋸山→大岳山

鋸山を超えると稜線に出るので比較的こう配が緩やかになります。

木々の葉が落ちていたこともあり、歩きながら富士山が見え隠れしていました。写真にはうまく写せませんでしたが、富士山が見えるだけでテンションが上がります。

枝の隙間に見え隠れする富士山
枝の隙間に見え隠れする富士山

大岳山の山頂手前に急な岩場があります。設置されている鎖で体を支えながら注意して登りましょう。

大岳山西側の鎖場
大岳山西側の鎖場

大岳山→御岳山

大岳山の山頂からは下る際は、また急な岩場があるので両手を使いながら慎重に下ります。大岳山山頂は岩山のテッペンといった印象です。

山頂から少し下ると大岳神社に出ます。杉の巨木に囲まれて山と一体化するように佇んでおり、神秘的な雰囲気です。

大岳神社のすぐ隣には大岳山荘があります。山荘は閉鎖されていますが、トイレが使用できます。

大岳山荘のトイレ
大岳山荘のトイレ

しばらく行くと滑落注意の看板が乱立してホラーな箇所にでます。看板が恐怖心をあおりますが、真新しい柵が設置されているので安心して歩けます。設置された理由を考えるとちょっと怖いです。

滑落注意の看板
滑落注意の看板

ここを超えてしまえば御岳山まで怖い箇所はありません。

御岳山へ出るにはいくつかルートがあります。

  1. 鍋割山経由、登って下りるコース
  2. 綾広の滝手前で山腹を巻くコース
  3. 七代の滝を見に谷底まで下ってもう一度登るコース

今回は七代の滝を見たかったので3番目のコースを選択しました。いったん谷底まで下りてから急こう配を登るので体力的には一番しんどいです。

一緒に登った仲間は頭から湯気をあげていました。

あまり体力が残っていなければ高低差の少ない②のルートがおすすめです。

所要時間

8時前に奥多摩駅をスタートして、御嶽山駅に15時半に到着しました。所要時間は約8時間です。

同行メンバーの体力目安

人数:4人
年齢:20~30代
性別:男女混合
体力:山歩きは初心者。毎週ジムに通って体力づくりをしている。
ペース:あせらずゆっくり。それでも登りは息が上がります。

12月に歩いたので日が短く、15時を過ぎるとかなり日が陰ってきていました。時間がかかりそうな場合は日の長い夏場にチャレンジするか、後で紹介するアレンジルートで時間短縮するのがいいでしょう。

コースタイムについて

どれだけ時間がかかるかは、その人の体力によって大きく変わってきます。自分の体力がどの程度がわからない人は、次のようにして時間の感覚を育てていきましょう。

  1. ヤマケイやYAMAPなどのサービスで標準的な登山の時間を確認する
  2. 標準時間以上に余裕を持ってそのルートを歩いてみる
  3. 標準時間に対して、自分がどれくらい速くorゆっくり歩いているのか把握する

見どころ・魅力

このルートの見どころを解説します。

大岳山山頂の景色

天気がよければ大岳山の山頂から富士山がきれいに見えます。この日は快晴に恵まれたうえ、冬で空気が澄んでいたこともあり最高でした。

大岳山山頂から見た富士山
大岳山山頂から見た富士山

武蔵御嶽神社・大岳神社

御嶽神社は御岳山の山頂にあります。大陸を思わせる極彩色の装飾が施されている神社です。

近くに御岳の集落があるので山頂にもかかわらず人里感があり、ここまで来ると安心できます。

御岳神社
御岳神社

大岳神社は御岳神社とは対照的に静かな神社です。神秘的な雰囲気があります。

大岳神社の鳥居
大岳神社の鳥居

綾広の滝・七代の滝

綾広の滝(あやひろのたき)は御岳のロックガーデンの中ほどにあります。

御岳のケーブルカーで簡単にアクセスできるので、軽装で観光している人も多く見かけました。とはいえ足場は山道相当なので、靴は山を歩けるものを履いた方が安全です。

綾広の滝
綾広の滝

七代の滝(ななよのたき)は御岳山の天狗岩から谷側に下ったところにあります。階段が設置されていますが急なうえ、濡れているとよく滑るので注意してください。

七代の滝は8つの滝が連なってできており、そのうち4段目を目近で見ることができます。

七代の滝
七代の滝(4段目)

難易度別アレンジルート

難易度を下げるためのポイントは御岳山のケーブルカーを活用することです。

これによって稜線に出るまでの登り、もしくは稜線から下山する行程を省略できるのでグッと楽になります。

というわけで、ケーブルカーは使用する前提でルートのバリエーションを紹介します。

標準コースタイムはヤマケイオンラインで倍率1倍で算出しています。休憩時間は含みません。

コースタイムつき登山地図が無料! 登山地図&計画マネージャ「ヤマタイム」 – ヤマケイオンライン / 山と溪谷社 (yamakei-online.com)

低難易度:御嶽山駅⇔大岳山ピストン

登り・下りともにケーブルカーを使用するコースです。急こう配は大岳山の山頂付近のみになります。

距離:9.8km
累積標高:△1159m、 ▽1159m
標準的な時間:5時間00分

一番距離が短い山腹を巻くルートを往復した場合で算出しています。鍋割山ルート、七代の滝ルートなど、往路・復路で別の道を楽しむことも可能です。

中難易度:御嶽山駅→大岳山→奥多摩駅

つらい登りをケーブルカーに任せてしまう下り基調のコースです。奥多摩駅をゴールにしているので帰りに「もえぎの湯」で入浴してもよいでしょう。

距離:11.7km
累積標高:△1108m、 ▽1610m
標準的な時間:5時間55分

鋸山から奥多摩駅まではずっと下りが続きます。

下りの歩きは膝への負担が大きくなるので、心配な人はトレッキングポールを使うと負担を軽減できます。

高難易度:奥多摩駅→大岳山→綾広の滝・七代の滝→御岳山駅

ケーブルカーを下山にあてた登り基調のコースで、滝への寄り道を加えた欲張りプランです。今回実際に歩いたコースでもあります。

距離:11.9km
累積標高:△1727m、 ▽1225m
標準的な時間:7時間15分

歩いたのは12月ですが、登りの間は汗だくでした。

一方で平坦な道や下りではすぐに体が冷えてしまうので、こまめに上着を脱いだり着たりして調節する必要があります。脱いだ上着はリュックにしまうことになるので、かさばらない上着を選択するとよいです。

まとめ

以上、奥多摩駅からの大岳山登山を紹介しました。いかがだったでしょうか?

実は、鎖場やはしご、急階段などは、ほとんど大岳山の西側(奥多摩駅側)に位置しています。そして見どころとして紹介した神社や滝は大岳山の東側(御嶽駅側)に位置しています。

つまり御嶽駅からピストンすれば、つらい思いをせずに主要な見どころを周ることができるんです。

「なるべくきつい思いをせずにきれいな景色を楽しみたい」「いやいや、多少は岩壁がある方がアドベンチャー感を楽しめる」など楽しみ方は人それぞれです。

好みに合わせてルートを選べるのも大岳山が人気の理由の一つです。ぜひお気に入りのルートを探してみてください。


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gaku
自然と運動をこよなく愛するアラサー会社員。 主に東京近郊の低山をうろうろしているが、最近は八ヶ岳エリアが気になっている。ダイビングに目覚めて伊豆の海にも進出中。 2022年の目標はテント泊登山にチャレンジすること。