「この行程は何時間くらいかかるかな?」
山行計画の際にいつも考えますが、いまだにぴったり予測できたためしがありません。
たいてい早く着く側にずれます(安全マージンもっててエライ)
不確定要素が多いほどマージンを厚くもっておく必要がありますが、余裕がありすぎるとこんどは物足りなさを感じてしまいます。
安全に、かつ目いっぱい山歩きを楽しむためには、自分の力量を正確に把握する必要があるのだと思います。
そこで、山歩きの行動データを解析して自分の移動ペースを調べてみることにしました。
目次
データを集める
ここ最近の山行データをYAMAPで保存しているので、まずはGPSデータをひたすらダウンロード。YAMAPの活動日記のページからダウンロードできました。
2021年の春から使い始めたので、約2年分のデータがあります。
全部で41ファイルありました。ずいぶん歩いたなあ。
日帰りソロ登山が多いですが、データの中にはパーティの時もありますし、テン泊装備を担いでいるときもあります。いろんなデータが混ざっています。
データの全体像をつかむために、まずは1枚のグラフに重ねてプロットしてみました。
横軸が距離[km]、縦軸が標高[m]です。標高はスタート地点を0mで統一してプロットしました。
たまにやたら長い行程や、下りの多い行程が混ざっていますが、一番多いのは全長15km程度の1000mほど上って下りてくるパターン。
日帰り登山だと大体そんな感じになるので、体感ともあっています。
上りの多さと歩く速度の関係
これらのデータから歩く速度を計算してみました。
山行全体の平均速度だと、上りも下りも含んでしまってよくわからなくなります。なので、1kmごとに区間を区切って、その区間ごとの速度と累積標高で考えることにしました。
全部のデータを1kmごとに集計して、プロットした結果がこちらです。
横軸が累積標高(上り)[m]、縦軸が移動速度[km/h]です。
上りが多くなるにつれて速度が落ちていくのがわかります。
赤線がぼくの限界ライン。
1kmあたりの上りが150mくらいなら時速4kmで移動できますが、上りが増えるほどにスピードは落ちてきます。上りが300mを超えると時速2kmがやっと。
一番歩けてそれくらいなので、色々な速度低下の要因(荷物の重量、疲れ具合、道の歩きやすさ、混雑、その日の体調、天候、同行者の力量・・・)によって、この赤線が下側に移動するのだと思います。
下りの多さと歩く速度の関係
下りについても同じことをやってみました。
横軸が累積標高(下り)[m]、縦軸が移動速度[km/h]です。
多少の下りでは移動速度の変化は見られません。下り200mていどまでは影響なさそうです。
それを超える急斜面の下りだと、基本的には速度が落ちるように見えます。たまに速度が出ている点もあるので何とも言えませんが。
下りでの転倒事故が多いという話も聞きますから、慎重に下りたいところです。
まとめ
YAMAPやヤマタイムの標準タイムをベースに見積もると、前半の登りは計画ぎりぎりになって焦るものの、後半の下りで取り返して結局早く下山する、ということが多いです。
今回の分析結果から、上りについては割とはっきりしたスピードの限界が見て取れました。
一方で、下りについてはあまりよく分かりませんでした。体感的には道の歩きやすさが効いてくるんじゃないかと思っているのですが。
なにかいい分析の方法を思いついたらまたやってみようと思います。
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