2023年9月2日。
チェーンスパイクが無いため先に進めず、すごすごと町に引き返した後の話です。
チェンスパを手に入れるべく、大きめの町まで移動することにしました。
またしてもヒッチハイク
チェーンスパイクを手に入れるため、60キロほど離れたビショップの町を目指します。
ビショップはこの近くでは比較的大きな町で、アウトドアショップもあるためチェンスパを購入できるはずです。
ビショップーインディペンデンス間はバスが走っているので、バス停で待ちます。
この日は土曜日。それも、次の月曜が祝日(レイバーデイ)なので3連休の初日です。
ロサンゼルス方面からどんどん車が走ってきます。SUVにピックアップトラック、ボートを牽引している車もあります。
きっとこの連休をリゾート地で過ごすのでしょう。
行き交う車を眺めながらしばらく待っているのですが、定刻を過ぎてもバスが来ません。
さすがに遅いので時刻表を見直してみると、そこには「Weekdays Only」の文字が。
今日運行してないじゃん!!
もうビショップのモーテルを予約してしまったので、何としても移動したい。一応Uberをチェックするも、こんな田舎町にドライバーはいません。
もうヒッチハイクするしかないよなあ。
男子高校生二人組
覚悟を決めて、道路わきで親指を立てていると、しばらくして一台の車が止まってくれました。
乗っていたのは二人の少年。ダンとステフ。
ステフは本当は違う名前だけど、何度教えてもらっても発音できなかったので、ここではステフと呼ばせてもらいます。
年齢を聞いてみたらなんと16歳。
アメリカでは車がないと生活できない地域も多いため、州によっては16歳から免許を取得できるのだそうだ。
これからゴールデントラウトを釣りに行くところらしい。
先日出会ったデイビッドもゴールデントラウトが目当てだったし、よほど釣り人に人気の魚なのだろうか。
ぼくが日本から来たというと、ステフは昨年家族旅行で大阪に行ったと教えてくれた。
「ワギュー、マジでおいしかったよ。ワギュー」
「あと山の中にサルがいた。」
それほんとに大阪の話?なんかイメージと違うんだけど。
車内ではガンガンに音楽がかかっていて、どんな音楽を聴くかという話になりました。
ちょうどその時エド・シーランが流れていたので、「エド・シーランは知ってるよ。日本でも人気だ。」というと、二人は喜んで「Shape of You」をかけてくれた。
よくよく考えてみると「Shape of You」ってちょっとセクシーな歌詞なんですよね。タイトルからしてそういう感じですし。
男子高校生二人は大喜びで熱唱。
「「「 I’m in love with your body!!! 」」」
こいつら愉快だな~。
ビショップに到着
二人のおかげで無事にビショップに到着。
マジで助かったよ。ありがとう、存分に釣りを楽しんできてくれ!
ちょうど公園でバザーをやっていて、いくつか屋台が出ていたのでそれでお昼にします。
ミートパイを購入。シチューのように柔らかく煮込まれた牛肉がうまいです。
ロサンゼルスの殺伐とした雰囲気と比べると、公園でくつろげるビショップの町はかなり平和に感じます。
お腹が落ち着いたら、目的のアウトドアショップに向かいます。
ザックを背負ったまま店内に入ったら、レジ裏に置いておきなよと声をかけてくれました。気遣いを嬉しく思うと同時に、かなりハイカーが多く立ち寄る町なのだろうなと推測します。
ベアキャニスターは、ここで購入してもよかったかもしれない。
そしてお目当てのチェーンスパイクを購入。これで雪が残っていてもある程度対応できるでしょう。
実のところ、この後歩いたJMTのルートは雪こそ残っていましたが、ハイカーによりステップが出来上がっていたので、このチェーンスパイクを使うシーンはありませんでした。
結果的にはなくてもよかったわけですが、いざ「スパイクが無いと無理」な地形に出会ったら終わりですから、保険として携行するべきでしょう。