2023年9月4日。
ビショップの町で食料とチェーンスパイクの調達が済んだので、この日からトレイルに戻りました。
サブリナ湖近くのTrail Headから入山し、6~7日かけてYosemite Valleyを目指します。
ヒッチハイクでサブリナ湖へ移動
2022年まではビショップからサブリナ湖、その隣のサウス湖を周回するバスが出ていたのですが、2023年は運行停止してしまっていました。
ビショップからサブリナ湖まで20マイル近く距離があるので、またしてもヒッチハイクで移動します。
この日は、訪問診療に向かう途中のお医者さんが、同じ方向だからと乗せてくれました。お仕事中にスミマセン。
彼の名前はコーナーさん。
冬はこのあたりの山でバックカントリースキーをしているアウトドア派のお医者さんです。
分かれ道まで乗せてもらうつもりでしたが、「大して時間かからないから送ってあげるよ」と結局サブリナ湖まで連れて行ってくれました。
ちょっとした親切が心にしみます。本当にありがとう。
Piute Pass Trail
北側をMt. Emerson、南側をMt. Thoreauに挟まれた谷筋を登り、Piute Passを目指します。
道はそこまで急ではなく、よく整備されていました。
そして大して歩かないうちに、氷河湖が点在するエリアに突入。快晴と相まって素晴らしい景色です。
この日は祝日でしたが、それを加味しても多くのハイカーが歩いている理由が分かった気がします。
Piute Canyon Trail
Piute Passの標高は3450mほど。さすがにこの辺りに樹木は見えませんが、かなり高いところまで針葉樹の低木が生えていました。
峠には雪が残っていましたが、傾斜が緩やかなのと、ステップがしっかりついていたので問題なく通過できました。
Piute Passの反対側にはなだらかな景観のPiute Canyonが広がり、くぼんだ箇所は大小さまざまな湖になっています。
こういう「広大」と表現したくなる景色は、峻険な地形が多い日本ではなかなかお目にかかれません。アメリカに来たなという感じがしてちょっとうれしい。
トレイルのそばの草陰や岩陰には、たくさんのジリスがうろちょろしていました。
一見して荒野のように見えますが、花をつけている植物も多く、小動物たちの食料になっているのでしょう。
この日は水の流れに沿うように標高を下げていき、Piute Canyonの林の中で野営しました。
標高3000mを下回ると針葉樹の森に入ります。日本の南アルプスなんかよりも森林限界が高いんじゃないかな?